「絵が描きたい」というのがマルタン・マルジェラが
自らのメゾンを去った理由だと伝わっているが定かではない。
今もメゾン・マルタン・マルジェラは存続しこの前のクチュールコレクションでは
⓪とよばれる「アーティザナル」ラインのショーを
メゾン・マルタン・マルジェラが手掛けたホテルで発表するに至るまで拡大している。
本人不在後もグッチやディオール程の変化をショップに行っても感じないのは、
マルタン・マルジェラが「新たなスタンダード」を生み出す事に専念したデザイナーだからだろう。
汎用性と量産可能性を基礎としつつ、細部に哲学やデザインが生きるマルタン・マルジェラの服。
真面目な素材で遊んだディティール、複雑だけど着心地の良い服、
二律背反を含みながらも「定番」にとどまるから消費されにくく、飽きられない。
メゾン・マルタン・マルジェラという「システム」を構築できた時点で
マルジェラ本人のファッションにおける思いは成就されたのではないだろうか。
彼がいなくてもメゾン・マルタン・マルジェラはその「定番」を再生しつづけることができる。
端的にいってしまえば⑥しか買わない人にはマルジェラの不在に気付かないだろう。
自分の美学や世界観を全面に押し出すデザイナーが多い中でマルタン・マルジェラは稀有な存在だった。
顔を一切明かさないことも伴って。
それでもマルタン・マルジェラもやはりアーティスト。
「何かを表現せずにいられない、それがアーティスト」とはジェレミー・スコットの言葉だが
マルジェラのアーティストらしさがほとばしっていたのがリメイクを基礎としたアーティザナル・コレクション。
先にも触れたホテルでの新生アーティザナルも素晴らしかったが、まだ完全に「再生」できていない。
あのコレクションを見て久しぶりにマルタン・マルジェラの不在を痛感したのだ。
今回はそんなマルジェラ本人による
アーティザナル・コレクションを
「ニュースタンダード」特集を組んだ
『流行通信』で振り返ってみる。
ここにあるように
マルジェラは自身の手仕事によるリメイクを
ただ発売するだけではなく
さらなるインスピレーションと
手法の伝播をも意図しているのだ。
さて、アーティザナルの意味が上手く伝わったのなら
このクイズは簡単なはず。
May U live 2 see the Dawn
Poppo
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